下肢静脈瘤とは
下肢の静脈瘤は一般に女性に多く、足の静脈血が心臓に返りにくくなり、血液がたまった状態(うっ血)になり、静脈が拡張、蛇行し、見た目が悪くなるばかりでなく、さまざまな症状をひき起こす病気です。
下肢静脈瘤の症状
静脈瘤の症状を起こす原因はうっ血です。このうっ血によって、だるさ、重さ、むくみが出現します。更にひどくなるとうっ血性皮膚炎を起こします。これにより、かゆみが出たり、色素沈着が起こったり、更には潰瘍などを形成します。また血液の流れが悪くなり、血液の塊(血栓)を生じることがあります。
血栓による症状としては血栓性静脈炎と肺塞栓症があります。血栓性静脈炎を起こすと血管の周辺が赤く腫れ、強い痛みを生じます。
肺塞栓症は血栓が静脈に乗って一旦心臓に返り、肺に送り出され、肺の動脈が詰まって、肺の働きを損なう病気です。詰まった血栓が大きくなると肺の働きを大きく損ね、まれに命取りになってしまうことがあります。
下肢静脈瘤の原因
動脈は心臓の収縮力よって血液が送り出されますが、下肢の静脈血は第二の心臓と言われる下腿の筋肉の収縮により、上流へと押し上げられます。一旦押し上げられた血液が下がらないよう静脈には弁があります。この弁が正常に働かなくなると、血液の逆流が起こり、心臓までの圧がかかり、下肢に血液がたまった状態になります。こうして静脈が拡張し、更に蛇行して静脈瘤となってきます。
正常 弁の働きで血液は上へ流れる。 |
静脈瘤 静脈の弁が壊れると血液は逆流し、 その下の静脈は拡張し静脈瘤となる。 |